不動産投資には興味があるんだけど、本屋さんに行くとたくさんの不動産投資についての本があって、どれを読んだらいいか分からないよ?
今回は、
・「不動産投資に興味がある」
・「不道産投資をやってみたい」
と考える不動投資初心者さんに向けたおすすめの本5冊をご紹介します。
このおすすめの5冊は、独自にネットでリサーチをかけ、不動産投資をやっている人、勉強している人を含めて、よく「おすすめの本として紹介」されている中から、さらに厳選して選ばさせて頂きました。
どれも内容が濃く有益な情報が得られるはずです!
『まずはアパート1棟、買いなさい』著者:石原博光
本の概要
著者は、2002年にわずかな元手で不動産投資を開始し、短期間で7棟72世帯、年間家賃5,000万円を達成。その後、2012年よりカリフォルニア州で不動産投資事業を始める。現在は日本で43室、アメリカで6棟を所有し、総資産3億円。年間家賃収入3,000万円。アパート経営1本でここまで成功したノウハウを紹介。
良かった点
冒頭で、
「皆さん、富豪層を目指しましょう」なんて大それたことは言いません」
からこの本は始まります。
投資で儲けるとなると億を目指したり、短期間に大きく儲けたりするイメージですが、それとは目的が全く違う内容です。
目指すのは、本業以外の収入として、年300〜1000万円です。
この金額は、老後不安の現在、年金にプラスアルファとして入ってくれば余裕のある暮らしができるであろう金額になります。
目標が具体的で頑張れば実現できそうな金額なのがいいね。
よくある投資で億稼ぎましょうとかではない内容です。
本のタイトル通り、アパート1棟投資をすすめる内容になっており、持たざる者がいかにして投資で成功するかについて、「ニッチ」を攻めるべきと推奨しております。そのためにはある程度のリスクは背負う必要があるって言っています。
どのビジネスでも初めて取り組むにあたり、競合がたくさんいる中で成果を出していくには、このニッチを攻めるという姿勢は共有するのではないかと思いました。
ただニッチだけではダメで、ニッチかつ高単価ということです。
ニッチは万人受けしないので、受け入れられる層はごくわずかで動きは少ないです。その代わりピンポイントにささるため、特定の人にハマったら確実に競争に勝てます。競合が多いところで競合と同じ動きをしては勝てるわけがありません。だからこそ、この本でも「郊外のアパート1棟」こそがニッチであり、競合が少ないところというわけです。
ニッチは当然リスクがあります。誰もそこを狙わないのは理由があるからです。
郊外のアパートも賃貸需要が少ないのはリスクです。資産価値がない古物件を買うのはリスクです。
ですが、ここで大事なのはそのリスクをリフォームやリノベによってはいくらでも賃貸需要を復活させることができ、高い家賃を得れるアパートに変身することができると言っています。
つまり、
✔︎労力次第で、利回りをコントロールできる
ことが1番の魅力と語っています。
この本を通して、やる気さえあれば、投機ではなく、事業としていくらでも成功することができることを学べたことが良かった点です。
悪かった点
目指すべきゴールは堅実で現実的な目標なのですが、
やることは素人ではなく玄人かなと感じてしまいました。
リフォーム業を率先してやるとか、
古い物件を付加価値をつけるようなやり方は普通の素人ではやれる気がしません。
この本を読んで、内容は大変勉強になることが多かったのですが、
実際やるとなった場合「アパート1棟は買いません」って結論になりました。
この本でやる気になる人は、もうそこそこのアパート経営をやること前提でさらにあとひと押し背中を押して欲しいひと向けかなと感じました。
あと成功例だけで、失敗例がないです。
買った物件全て成功しているみたいですので、100発100中です。
投資効率がいい分、区分とは違い部屋がまとめられることがいいところではありますが、諸刃の剣であることは間違い無いです。
✔︎物件選定で過ちを犯した場合のリスクヘッジやその辺の失敗談をもっと知りたかったです。
総合評価
結論、不動産投資の知識としては大変面白い内容です。
ですが、この本を読んで実際に同じように行動を起こそうとはする人は少ないんではないかと思いました。
本でも触れていますが、
アパート経営は、間違いなく「投資」ではなく、「不動産業」です。
私は本業をやりながら、副業の感覚で投資ができるのが、投資の魅力だと考えていますが、
アパート1棟投資は事業なので、本業の片手間でやるのは難しいんではないかと私は感じました。
ただ、アパート1棟投資の考え方、戦略はとても理に適っており、本気でこれ1本でやればある程度の結果を出すことも夢ではないなと感じました。
あとはこれは好みですが、
この本の投資スタイルが、インカムゲイン狙いで物件を保有し続けて家賃収入を長期的に得る戦略ですが、どうしても郊外で資産価値がない物件(銀行の評価が低い)になりますので、キャピタルゲインを狙えないのがデメリットです。出口戦略として、持ち続けてもよし、売っても良しもできたらなーと勝手に感じてしまいました。
アパート1棟投資についてもっと知りたい方はこちらの記事もぜひ⬇︎
『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』 著者:八木エミリー
本の概要
2015年26歳で1棟目となる中古1棟アパートを購入。現在は7棟68室。総資産7億5千万円。年間家賃収入2,000万円(純利益)。資産100億円を目指している。知識ゼロからでも、若くても、女性でも不動産投資で安定的に資産を増やせる方法をご紹介。
良かった点
著者の目標が明確で、その目標を達成するための手段が「不動産投資」と割り切っているところが良かったです。
よくあるボロい物件を買ってリフォームして高利回りを狙うための、大家業をメインにするやり方とは180度違い、あくまで投資業に専念するスタンスが共感できました。物件管理はストレスである人も多いと思います。
なので、物件管理に関わることは全て管理会社に任せており、自分のやることは資産の拡大に集中するというスタンスがとても勉強になりました。
物件選定も銀行の融資評価が高い「積算価格が高い物件」を元にして購入するかどうかを判断しており、所有した物件を担保にさらにローンが組める戦略も徹底されていると思いました。
物件管理に伴う煩わしいことを省いた投資をやられている点で、結構多くの人が望むスタイルを追求されているんではないかと感じました。
内容としてもすごく難しいことをやっているわけではなく、ただ愚直な努力の賜物であると思いました。
悪かった点
目標に向かって猪突猛進タイプに感じられたので、強い目標達成のためのパワーがないとなかなか同じようにできないのかなと感じました。
著者の生活は無駄を削ぎ落とし、家計簿も1円単位でつけており、それが性格で苦でもないそうです。目的は資産の維持拡大なので、そのためには全てをそこに注力するライフスタイルに集約されていると感じました。
多くの方は、そこまでの強い目標や1点集中より分散する傾向があるので、もっと気軽な感じでの投資スタイルも検討の余地はありそうだと思いました。
総合評価
何より全てが合理的で目標も明確なので、こういった考え方、行動できるようになるための勉強になりました。
資産7億で純家賃収入が2000万円ということは、実質利回り約3%です。
投資での堅実な実質利回りは、3〜4%と勝手に思っています。
7億あって2,000万円と比べると、少なく感じるかもしれませんが、これがセーフティーラインだと思います。1億あって、年300万円です。
ローンを組んでリスクをすごい負っているように見えて、とても堅実な投資をしているってことなんだね。
FIREを目指す人が資産1億目指して、年3〜400万円で働かずに暮らしていく基準がこの利回りにあると思います。
不動産投資を儲けるためではなく、最低限の生活保障として考える意味で、この3〜4%を目指せる投資としてはいい方法かなと思いました。
ただ投資信託や他の投資でもある程度これぐらいの利回りは目指せると思うので、ローンを組んでまでもこの利回りを目指すことがリスクかどうかを感じるのは人それぞれだと思います。
やはりある程度ローンを完済できているかどうかは、
心の問題としても課題点であり、不動産投資の本当の成功という意味では、負債ありきの資産拡大は発展途上であると思いました。
少額現金ではじめる!中古1Rマンション堅実投資術 著者:芦沢晃
本の概要
1989年、自宅中古マンションを購入。自宅賃貸をきっかけに不動産投資をスタート。現在大家歴29年。中古区分マンション60室。年間純家賃収入2,900万円。29年の経験と最新トレンドを知って順風満帆な大家さんになれる方法をご紹介。
良かった点
不動産投資だけでなく、株式投資にも詳しい著者による投資の比較が大変勉強になりました。インフレや円安、金利など幅広い知識が散りばめられていました。
肝心の不動産投資も、中古区分マンションをローンを使わず、現金買いに特化されており、ローンを全く使わない形で、60室も所有しているのはすごいなと感じました。
本当に本業をやりながら、大家さん業に転職する感覚で兼業しているスタイルを貫いています。
不動産投資は、「不労所得」ではなく、成功するためには労力が必要と言っています。
それを感じさせてくれる本でした。
悪かった点
再現性はほぼ難しいと言ってもいいです。
自身でDIYをしたり、ローンを使わず他の投資で自己資金を作り物件を購入するスタイルなど、まさに投資ではなく「大家業」の典型的なスタイルです。
今の時代で本業がある方は、この本を見て同じようなことをやりたくなってやろうとする人は本当にレアで逆にすごいと思います。
買う物件は銀行評価がほとんどない物件です。ですが賃貸需要はリフォーム次第で家賃は取れます。このリフォーム次第のノウハウが素人にはハードルが高いですし、本当に経験の賜物だなと感じました。
何より真似してみようと思う本ではなかったです。
総合評価
悪い点が目立ちましたが、
内容が悪いというわけではなく、不動産投資の本は不動産投資に少しでも興味があって、できればやってみたい人が読むものであるという観点から、やってみたいと思う人が少ないではないかと思う本なだけです。
内容は本当に勉強になります。いろいろ試行錯誤の賜物で、長い間あらゆる観点から考えられて資産を拡大されてきたのがわかります。
ここまで部屋を増やそうとはおもいませんが、1室2室持つことは良いのかなと思いました。
中古区分マンションについてもっと知りたい方はこちらの記事を参考に⬇︎
『Excelでできる不動産投資「収益計算」の全て』 著者:玉川陽介
本の概要
不動産投資における収益構造から収益計算まで成功のための理論と数字の全てを紹介。これから不動産投資を始める方、また、すでに始めている投資家が、不動産投資のお金の流れを把握できるようになること、さらに、自らExcelで投資収益を計算できるようになることを目的とした本です。
良かった点
ここまで「不動産投資」というものに特化した計算式に満ち溢れた本はないです。計算式自体は難しいものもありますが、この本を読めば不動産投資に関わる全ての経費や収入に対してのシュミレーションを未来に渡ってでき、購入するときの判断材料になるとは思います。
不動産投資で毎月の収支が悪いものが決して悪い投資ではなく、
✔︎不動産投資の目的は、純資産の拡大
という観点を持っているところが勉強になりました。
つまり、毎月のキャッシュフローが悪くても、ローンの元本が減っているので、資産はどんどん自分のものになっているという考えです。
結局は、買ってから売るまでの出口戦略までを考えて、いつだったらどれくらいのトータル利益で儲かるのかを考えたのが、この本です。
なのであまり持ち続けるというインカムゲインというよりは、キャピタルゲイン寄りの本ではあります。
ですが、不動産における金利、税金、経費など全て網羅されていますので、不動産投資家になりたい人はぜひおすすめです。
悪かった点
本の内容は難しいです。
また読みやすい本でもないですし、地味と言えば地味です。
計算式も専門用語も多く、初めての不動産投資の人にはとても読みにくく理解するのにも時間がかかるかもしれません。
総合評価
地味なのは地味ですが、内容は知っておいても損は絶対ないです。
「地味なものほど大事」という言葉がまさに当てはまる本です。
著者もそれを分かって、あえて派手さはなくても本質的な大事なことを伝えたいということでこの本を書いています。まさに出版社泣かせではありますが、読んだ人にとっての満足度は大きいと思います。
それだけ「儲ける」というものに対して、数字を使って考える術を学べ、しかもExcelに数字を打ち込めばできる特典付きです。
これは数ある不動産投資の本の中でも1冊はコレクションにしておきたい本です。
『リフォームコスト削減ノウハウ虎の穴』 著者:小林大祐
本の概要
不動産コンサルタントとして、日本では数少ない「大規模修繕コスト」「建築コスト」の削減に特化したコンサルティングをしている著者。業界の商慣習に捉われない独自のアプローチで「リフォーム工事費用」を劇的に削減する「ノウハウ」「手法」をご紹介。
良かった点
まず単純に知識どうこうより読書としても面白い本です。著者がセミナー慣れしているのもあるせいか文の構成が語りかけるストーリー調になっているので、すらすら読み進められます。
内容もリフォームコストの削減に特化しており、利益を上げるには、売り上げを上げるよりも経費を下げる方が簡単と言われるように、経費に着目した不動産投資の本は珍しいです。
当たり前と自分では思っていたことも、
✔︎専門の業者に相見積もりを取って、その中で値段が安い業者を選べばいいという発想がそもそもベストな選択ではない
ということを思い知らされました。
リフォームコストを安くできるできないは業者の匙加減というよりは、「業界の構造」「会社自体の構造」によるものであり、この本質がわからないと安くなるものも安くすることはできないと勉強になりました。
この本の本質である、「近隣競合物件よりも良いものを安く作る」ことが結果高利回りの物件を生み出し成功するための必須条件なんだと思い、この考えを知れたことは自分にとっても大きかったです。
悪かった点
悪いというよりは、どんなことでもある程度の差ができる結果にしたければ、手軽な方法はなく、努力が必要ということです。
紹介されているリフォームコストの削減も普通に相見積もりを取る手間と比較すると圧倒的に大変です。実際理解できてもやれるかどうかは本人のやる気度に左右されます。
知っているとやるは違います。そのことを突きつけられるような本です。
だからこそ、簡単なノウハウや魔法の言葉で、コストが削減できるわけではないということです。
総合評価
リフォーム業界の裏側を知れるという点だけでも読んで良かったと思います。
業界の構造、市場は個々がどうこうよりも全体で作られていくものです。
この市場が価格をきめ、それを相場にして競合がひしめき合ったりするわけです。
どの会社もジャンルは違えど、目的は自社の利益の最大化です。それで従業員を雇い、支払うものを支払っているのです。それは悪いことではありません。それぞれが必死です。
建築会社はたくさん物件を建ててナンボ、賃貸仲介会社は仲介してナンボ。それ以上でも以下でもないです。極端な言い方をすれば、お客がその後どうなっても知らないです。
それはある程度仕方がないことです。それをこの本で知り、
自分だけでない相手の気持ち、立場もわかった上で、自己実現を図ること
が成功への近道だと感じました。
それを考えさせる本です。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
不動産投資と一概に言えど、それぞれ投資スタイルは違い、目標も違います。
大きく分けて、投資をするのか、事業をするのかの違いです。
利益を最大化したいのであれば、専業になっていくことが必須です。投資で数字だけを追いかけているだけではリスクコントロールが少なく大きくは儲けられません。
これはどの投資でもそうです。結局は労力・時間・経験をどれだけそこに注力できるかにかかってくるんではないかと思います。
それなりの労力であれば、それなりのリターン。リスクを求めれば、リターンも大きく、安定であれば利益もそれなし。
ですが、不動産投資は一つの投資としての選択肢に過ぎません。
最終的にはいつまでにはどうなりたいかを明確にすることが大切です。
その目標の手段として、不動産投資がより多くの人に馴染み深く興味を持つ人が少しでも増えれば幸いです。
不動産投資についてもっと知りたい方はぜひこちらの記事も参考に⬇︎
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